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忘れていた趣味のお話。

ちょうど2年前の今頃、大学を卒業し最後の春休みを使って色々な場所へ行きました。

金沢から九州へ車で向かい、帰ってきたと思えば四国から東海、そのまま東北までまた車旅行と、乗り合いの割り勘で行けば新幹線よりずっと安いとの考えから全国ほぼ全てを車で横断。

大学生のエネルギーは凄まじいもので、劣悪な移動環境にも関わらず目的地に到着した後も昼間は全力で観光し、夜中まで遊び回っていたほど。

春休みや夏休み、冬休みと今考えると休んでばかりの学生生活のはずですが、不思議と今よりゆっくりと休日を過ごせていた感覚はありません。笑

車さえあれば全国どこへでも行けると考えていたあの頃にしかできない貴重な経験。

大阪は通勤や買い物など生活する上で車は不要で、今ではほとんど運転する機会が無くなってしまいました。


先日、お店の方々にお誘いいただき車で遠足へ。

目的地へ到着することはもちろんですが、道中の景色や車内での会話、スピードやルートを自分たちでコントロールする感覚は車移動ならでは。

大阪で仕事を始めてからタクシーに数回乗った程度で長距離を車移動したことは無く、忘れていたドライブの楽しさを思い出しました。


大阪の土地勘がいつまで経っても身に付かないのはなぜか。

ドライブで道を覚えることが習慣になっていた自分にとって内向き座席の電車や外の見えない地下鉄では、どこへ出かけても道中の景色が変わらない単調な移動に過ぎないからなのかもしれません。

自分にとって運転は移動のためだけで無く、考え事をしたり気分をリフレッシュさせるための大切な時間で、都会は駐車料金など維持費がとんでもなく高くつくので今は手の出ない嗜好品ですが、それでも欲しいと思うほど大好きな趣味でした。

集中力や体力は衰えていくもので大学の時のように長時間の運転はもうできないでしょう。

それでも運転を楽しいと感じることのできる年齢のうちに、またドライブに出かけたいなと思います。

絶好のドライブ日和な寄り道になりました第十話、本日もよろしくお願いします!

2024.03.29 fri

第十話、白茶の麗日

高層の冷たい人工物に日差しを遮られた緑達は花の便りを待ち望んでいる。
晴天の青空と色彩を取り戻しつつある植物たちに誘われ昼休みの街へ出た。

衣替えを済ませた西梅田の隠れ家はフレッシュな顔つきが肩を並べる。
人間関係だけでなく素敵な洋服達とも心踊る出会いの季節だ。

おや…?

一見するとブラックとも見間違えるほど深いダークネイビースーツ。

シックな佇まいは普通なようで普通じゃないオーラのある一着だ。

ウールトロピカルらしいシャリ感の強さは程よく持ちつつも、柔らかくしなやかなタッチ。

組下は1プリーツのループ付き。
スッキリとした腰回りと細身のシルエットはビジネスでも好印象だろう。

パープルの裏地はStile Latinoらしい色気のある組み合わせ。
夏に着るダークスーツもいいものだ。

男らしいボリュームのあるラペルが特徴的なダブルブレストに落とし込まれた硬派なストライプ。

流行り廃りの無い普遍的なスーツはいつの時代でも美しい。

色違いは春夏らしいライトグレー。

少しずつストライプスーツがまた気になり始めた。

細すぎず太すぎない絶妙なピッチ。
ブランドを象徴するワイドラペルとも抜群の相性。

こちらも組下はアウトプリーツのループ付き。

清涼感のあるドライなタッチとトーンの明るいグレーに合わせた綺麗な裏地。
タイドアップだけでなくリネンシャツで軽快に着崩すのも良さそうだ。

ハリコシに富んだ強撚糸は人体に合わせて立体的に設計されたスーツを更に仕立て映えさせる。
定番と言われるような生地でも他を寄せ付けない絶対的な違いを生むのは、培われた確かな技術力があるからだろう。

エレガンスを象徴するかのように上品なベージュスーツ。

落ち着いたダークゴールドのライニングも高級感のある印象だ。

適度なコシがありつつも滑らかで上質な生地は270gのウールフレスコ。

一度袖を通して雰囲気を見てみよう。

いいじゃないか。
上衿が首元へピッタリと吸い付く抜群の着心地には相変わらず脱帽する。

ヴィンテージ調のプリントタイはコントラストを抑えて全体のトーンに馴染ませた。
暖かくなり始めた春の陽気にベージュのスーツはよく映える。

長閑な昼下がりの西梅田。
光る風がもたらす目の霞みが春の便りを届けてくれた。

今回ご紹介したアイテム

 
suit:STILE LATINO スティレ ラティーノ
 
shirt:GUY ROVER ギローバー (私物)
 
tie:STEFANO BIGI ステファノ ビジ (私物)
 
bag:Felisi フェリージ (私物)
 
shoes:Crockett&JONES クロケット&ジョーンズ (私物)
 
suit:STILE LATINO スティレ ラティーノ
 
suit:STILE LATINO スティレ ラティーノ

この度オンラインサイトにて新しいコンテンツを始めさせていただきましたring大阪の黒澤芽瑠(くろさわ める)と申します。皆様からは「めるる」と呼ばれています。 2022/9/23にリニューアルいたしました世界に一つのStileLatino常設POPUP店舗にて、僭越ながら担当として抜擢していただきました!
お立ち寄りの際はお気軽に「めるる」と呼んでください。

このコンテンツではSTILE LATINOの魅力をお客様へ存分にお伝えするには、自らがより深く当ブランドを理解することが必須であると考え、多くの製品に触れ、いずれは直接ナポリの工房に赴き、ものづくりの過程を現地視察することを目標とする人物が遠路途中で訪れる『寄り道』をテーマにお届け致します。

ringからStile Latinoを盛り上げる事を目標に掲げ、 この機会が少しでもその力添えになればと考えております。目的地であるナポリの工房まで、お付き合いよろしくお願い申し上げます!!


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〜STILE LATINOファクトリーへの軌跡〜

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