こんにちは。 gujiの高階です。

バイヤーをさせて頂き、ぼちぼちの年数が立ちました。
そろそろ引き継ぎの時が来ていますし、もはやそんな感じになっているのかかもしれませんが、可愛いくて愛おしい展開ブランド達を今の僕の目線で再度見つめ直したいと思い、敢えて動画ではない、こんなコラム的なコンテンツ始めました。

僕はgujiだけで無く、ringやレディースのbigliettaも見させて頂いていることもあるので、垣根を超えて様々なブランドを、あくまでも『僕の思いに特化した形』の内容で紹介出来たらと思っています。

ですので、細かな蘊蓄や歴史などは検索して頂き、こちらは読んでみて皆さんも色々考えて思って頂ければなと思っています。



ということで、第一回目は何のブランドにしようかと思っていたところ、若手スタッフに聞きました。
FERRANTE(フェランテ)をお願いしますとのこと。
早速、代理店様へのヒアリングや検索を始めて、本日に辿り着きました。
こんな感じの流れで何処まで続くか分からないですが、月1.2回のペースであげれたらと思っています。

さてさて、本題に入りましょう。
ノリと勢いで書きたいと思います~


僕がgujiに入社した時は創業6年目ぐらいの時。
7周年パーティーの幹事を担い、大阪のリッツカールトンで行ったことを覚えています。

その当時から展開しています。
また、ずーーーーっと人気です。
嘘でも無く、本当にそうなんです。
前社でも馴染みがあったブランドですが、ここまで人気なことを想像もしていませんでした。


イタリアはナポリで生まれたブランドですが、今でこそガムライトソールのセメント製法が認知されていますが、マッケイ製法や、グッドイヤーウエルト製法・ノルヴィージャンウエルト製法など、数多くの製法で靴作りできるメーカーであり、それはイタリアだけでなく世界的にも珍しいと言えます。

特に弊社がずっと展開し続けているマッケイ製法は、元々は貴族が履いていた仕様の製法ですので、靴底の交換には不向き(貴族は修理して靴を履くという概念を持っていなかった)ですが、グッドイヤーウエルト製法と比べると、非常に屈曲性が高く履き心地が良いです。
また、僕の目線では、仕立ての拘りよりも見た目の美しさを追求し続けている、イタリアらしいブランドとして見ています。

デザイン性の高さもあり、かなりの数のモデルが存在し、過去に弊社も別注をしたこともあります。
何よりも、ISEO(イセオ)というモデルは、普遍的なモデルと言って良い地位まで来たのではないでしょうか。


薄めのアウトソールと張り出しの少ないコバが、繊細なラストに合い、"イタリアらしいスリポッン"の代名詞になったモデルです。

弊社は決してイタリアだけに拘っているわけではありません。
フランスのエスプリ、イギリスの剛健さ、アメリカの雰囲気、他の様々な国の特異性、日本の誠実で精度の高い作り込みなど、どれも"インポートらしさ"を感じ、それをお伝えしたいと思っていますので、国で切った考えは一切ありません。


その中でも、イタリアの華やかさや、色気というものは世界から見ても、類稀です。
そこには、作り手の思いや、南イタリアならではのラテンな空気や元々根付いているものが、それらを作り上げます。

靴一つ取っても、イタリアのノーズの尖り方と、フランスのそれはまた違って見えます。
よく弊社の別注スーツでも採用している、イギリスのFOX BrothersとイタリアのLoroPianaの生地。


革靴の中心国でもあるイギリスは、生地も製品も厳しい気候を加味したモノづくりが考え方としてあるそうです。
ですので、あの寒さに耐えうるFOX Brothersの様な剛健な生地が生まれたわけです。
まずは機能性でありその気候に合った素材や製品がクオリティの高さとなって世の中に出回ります。
イギリスはモノづくりの発祥の地とも言われています。
ブレザーなどは良い例ですが、軍なのか学生服なのかどちらが先かは定かではありませんが、それがアメリカに行き昇華されファッションとして成立して行きました。

反面、イタリアというのは生地の耐久性よりも、より美しくエレガントに見える開発が進みました。
代表例が、あのLoroPianaだと思います。
見てお分かりのように、繊細でありながらもイタリアらしい色艶を確立して行ったと言われています。


何が言いたいかと言いますと、、汗
元々の作る段階での考え方が違うんですよね。
なので、それが物に宿り、スタイルへと変わって行きます。
どちらが良いとか、どちらが本物とかは、何を持ってのそれなのかで変わりますので、どちらも素晴らしい物には変わりません。


話戻ると、同じような尖り方の靴でも、コバとかヒールカップやアッパーの空気感も変わってきます。
とは言え、今のファッションは自由です。
何でもありではなく、その空気を壊さずに編集出来るのが日本人の特異性です。

例えば、イタリアのクオリティで、それを今の東京スタイルに入れていくブランドも多く、この分野だけの物では無くなっているのが、今のファッションのトレンドの凄いところです。


ですので、このFERRANTEも今まではテーパードシルエットのパンツにのみ合わせていたかと思います。
今後もそれが最適なのは変わりませんが、ワイドシルエットのパンツに丈を少し長くして合わし、ジャケットを着用するスタイルも、今後のクラシックファッションのあり方かもしれません。


勿論、今流行りのワイドパンツに合う尖った靴は他にも存在します。
反面、イタリアパンツの種類も増えて来ました。
それを上手く編集し、新しいイタリアファッションスタイルを作って行くのは、特異性を活かした日本の役割ではないでしょうか。

実際、メーカーは進化変化に着手しています。
特にLARDINIなどはその代表例。
TAGLIATOREも、ミラノのショールームで拝見すると、明らかに日本の置かれている立ち位置とは違って来ています。


FERRANTEが、どの時代にも通用する靴として進化を成し遂げるのか、はたまた従来のスタイルのみのイタリア靴として行くのか。
弊社としては、どのブランドも、そのトレンドと変化を前向きに受け止めて、新たな提案をしていきたいと思っています。


これは、新たな商品開発だけでなく、SNSを含めた小売側の発信力を強め、新たなスタイルを皆さんにお伝えし、皆様がそれを楽しく自信を持っておしゃれを楽しむ。
勿論、今のスタイルを否定している訳でもないので、スタイルの幅を広げていくということです。
結局、これが一番前向きで、"やっぱりファッションは楽しい"に繋がるのではないでしょうか。

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