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お買い物の話。

商品を目の前に「買おうかな〜」「やっぱりやめとこうかな〜」と心の中で葛藤することってあると思います。

そんな時、私にはお買い物のマイルールがございます。

それは…

「値段が高いから諦めようとしているなら買う。安いから買おうとしているのならやめる。」

もちろんお財布の上限は決まっていますし、同じものなら安価であればあるほど嬉しいのは当然です。

ですが安いから、お買い得だからといった価格が決め手となって調達した品は全てが満足いくものでしょうか?

逆に簡単には手の届かなかったものでも、なんとかやりくりして手に入れたものは長きにわたり大切にすることができます。

そもそも自分の大切なお金を支払う買い物は「欲しいもの」を探しているはず。

時には遠方へ足を伸ばして探し回り、家計を切り詰め努力し手に入れたものにはその品の価値だけでなく、そこに至るまでの時間までもを対価とします。

セールや売り出し品、アウトレットなどを否定しているわけでは全くありません。
一期一会と言われる出会いに物欲が刺激されることだってあると思います。
ただどんなものでも自分で選んだ買い物に満足できるような探し方をされることをお勧めいたします。

めるるの物持ちの秘訣は全ての品を手に入れるまでの苦労とそれを引き換えに享受する満足です。

「一生モノ」という言葉を耳にしますが、長く愛するか否かを決めるのは物ではなく自分次第だと思います。

新年最初の第八話、今年もよろしくお願いします!

2024.01.26 fri

第八話、初陽の服笑い

新しい年の始まりに歓喜と幸福を願う声であたりが騒がしくなる頃、西梅田の都市広場も呼応するように賑わいを見せる。
まだまだ寒さは険しいが不思議と爽やかで清々しい空気に街が包み込まれているようだ。

洋服屋にとって最も忙しいのは初売りの日。
この館も例外ではなく、旧年の感謝と今年も更なる躍進の想いを込めた祝祭の音が響く。

おや…?

ベージュ×ブラウンのメランジをベースに、ダークブラウンのウィンドウペーンがアクセントとなったダブルブレストのコート。

やや短めの着丈が軽快な印象。
デニムなどのカジュアルスタイルにもバランス良く合わせられる。

ポケットはスポーティなスラント仕様。
遠目では位置がわからないほど完璧な柄合わせには脱帽だ。

ガンパッチやアンブレラヨーク、インバーテッドプリーツといったクラシカルなトレンチコートのディティールを踏襲しつつも、エポレットやウエストベルトを無くすことでモダンな仕上がりに見せている。

これはものすごい肌触り…
カシミヤ素材もピンキリだが触れた瞬間に一級品であることを確信する、油分を含んでいるような贅沢生地。

ラグジュアリーを体現するかのようなライトグレーのカシミヤフランネルは離れた場所から見ても別格だ。

セパレートでも使いやすいパッチポケットのジャケットは副資材を取り除いたジャージー仕様。
目付け220gの軽やかなカシミヤ素材との相性は言わずもがな。

組下はサイドエラスティックのイージーパンツ。
素材、色出し、仕立ての全てが最高峰で所謂ジャージーセットアップとは一線を画する。

イタリアサルトには珍しいブラックジャケットはクラシックに振れすぎない、都会的でモダンな印象。

カシミヤと見紛うほど上質でエアリーな質感のヴァージンウール。
寒さの険しい冬場は紡毛素材の柔らかさに癒される。

美しく沈み込むダブルステッチもさることながら、時より見え隠れする裏地の色合わせも洒落ている。

包み込まれるかのような着心地は多くの人に体験してもらいたいものだ。

いいじゃないか。
柔らかな質感ながらもウールらしいコシもあり仕立て映えする。

ブラックのダブルブレストの持つフォーマルな印象をカラーパンツで現代的に解釈。
ボトムにはややボリュームのあるシルエットを合わせてエレガントなワイドラペルとバランスをとる。

彼らのものづくりを手にする対価は決して安価ではない。
だからこそ初売りの日に巡り会えた品々は「最高峰」を体験するための入り口としても絶好の機会だ。

南天の実がすぐそこまで迫った最後の二十四節気の訪れを告げている。
夕暮れ時にも静まることを知らない新年の宴を背に帰路についた。

この度オンラインサイトにて新しいコンテンツを始めさせていただきましたring大阪の黒澤芽瑠(くろさわ める)と申します。皆様からは「めるる」と呼ばれています。 2022/9/23にリニューアルいたしました世界に一つのStileLatino常設POPUP店舗にて、僭越ながら担当として抜擢していただきました!
お立ち寄りの際はお気軽に「めるる」と呼んでください。

このコンテンツではSTILE LATINOの魅力をお客様へ存分にお伝えするには、自らがより深く当ブランドを理解することが必須であると考え、多くの製品に触れ、いずれは直接ナポリの工房に赴き、ものづくりの過程を現地視察することを目標とする人物が遠路途中で訪れる『寄り道』をテーマにお届け致します。

ringからStile Latinoを盛り上げる事を目標に掲げ、 この機会が少しでもその力添えになればと考えております。目的地であるナポリの工房まで、お付き合いよろしくお願い申し上げます!!


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