こんにちは。 gujiの高階です。
2回目の髙階手帖。
月2回以上更新を目指して行きたいと思いますので、最初だけにならないように、熱を持ってお伝えしたいと思います。


今回はring展開商品から選びました。
JEANIK(ジーニック)です。

ringでは既に人気ブランドだと思いますが、巷でもまあまあ人気ブランドです。
ringの商品も僕の管轄になるわけですが、仕入れをしているのは、ringバイヤーとアシスタントバイヤーです。
ですので、今回は仕入れ意図というより、僕個人のこのブランドに対する思いを書いていきたいと思います。


JEANIKは、ringの仕入れ同行の際にも見ますし、gujiの仕入れの際にも必ず確認するブランドの一つなのですが、初見は、何か"新しさ"を感じました。

通称Gジャン。
普遍的で、ジャンルレスなアイテムの代表ではないでしょうか。
物のデザインはLEVI’Sの2ndモデル。
過度な加工もデザインも施さず、寧ろ何も珍しくもない物と言えるでしょう。

では、何故"新しく"見えたのか。


イタリアのタイトフィットで色気のあるGジャン、ドメスティックのビンテージにかなり寄せた拘りのGジャン、モードでデザイン性の強いGジャン、フランスのエスプリを感じるシンプルで品のあるGジャン、純粋に古着から見るビンテージのGジャン、これまで様々なそれを見て来ましたが、どれにも属さない空気を感じました。
これが、何なのか…


弊社のスタイルは、gujiもringも何処か大人の品を感じるスタイルが前提です。
分かりやすく言うと"綺麗め"な提案をしている会社です。
ですが、その"綺麗め"というのも、ただただ綺麗なアイテムをかけ合わせるだけで成立するわけではありませんし、時代と共にそのあり方も変わって来ています。


少し洗いのかかったシワがある物や、ガーメントダイで色にムラがある物、伝統的な男臭さも感じるような作りや雰囲気の物、これらのシルエットや素材の掛け合わせなどを巧くスタイリングで合わせることで、それこそ奥行きを感じる"綺麗め"になります。

例えば、洗いやガーメントダイのアイテムはイタリアのカジュアルスタイルでは定番です。
それがあれだけエレガントに見えるのは、シルエットや着合わせにより、色気さえも感じるスタイルに仕上がります。


ringとしても、そのミックスの追求こそがらしさとなり、ringが思うモダンになっていくのだと思っています。

ですので、本来伝統的で男らしいGジャンでも、それに見合う物のセレクトがまずは必須になります。
仕入れを回っていても、そんな都合良く簡単に出会うことが出来ません。
ブランドの色をシルエットで出し、高級感や、着心地まで網羅できるものを見ることは、そうあることではありません。
ただJEANIKには、まさにそれを感じました。

また、gujiとは違い、それをジャケットというアイテムではなく、ブルゾンで表現していくことに、ringならではの拘りが見えるのだと思っています。


JEANIKは、イタリアで有名メゾンブランドを手掛けた方と、デニムと言えば日本の生地や作りで名を馳せて来た方がタッグを組み作成しています。

生地に関してのベースは、12.5OZの生地を採用しています。
これは高温多湿な日本においても使いやすく、着やすい生地感で、且つ綺麗に見えるものを選択。
その中でも糸が比較的細い高級なものを使っており、これが自然な光沢感や肌触りの良さを生みます。
日本人の体系にも合わせた着心地で提案しているブランドで、だからこそ、他には無い空気感がそこにはあるのです。

こんな諸々の理由や理屈を含めて、僕は"新しく見えた"のだと思います。



今季は新しい素材も出て来ています。
墨染めのリネン素材。

高品質なリネンを職人が一つ一つ手で染めており、その表情や色は通常の染料では出せない上品な色目やムラ感を持っています。
このような他のブランドで使わないような珍しく高品質な生地を常に探し、且つデニムジャケットに落とし込めるものを探求しているのも、このブランドの大きな特徴です。

素材が変われば、着用シーンも着合わせも変わるのは当然です。
ここからは、小売側のスタイルの発信という力の見せ所。


僕が思う合わせは、墨染めのリネンのモデルに、Fumiya Hirano THE TROUSERSのスラックスを合わせ、インナーはScyeの黒Tをタックアウトし、足元はJUTTA NEUMANNかHEREUのサンダルでしょうか。
サイズは全てレギュラーなフィットで。


ワントーンで合わせ、素材の空気感を出し、気取らずに自然を意識したスタイル。
また、このリネンの素材はシワを出しておいて良いと思います。
その分、パンツはしっかりセンタークリースをつけて足元は自然に抜くイメージ。
モノトーンの世界でも尖り過ぎず、抜き過ぎず。

今はこんなスタイルが気分として出て来ますが、数年後にはまた違う合わせが浮かんでくるんだと思います。
それだけ、永く愛し続けられるアイテムではないかと思います。


普遍的なアイテムだからこそ、スタイリングの成長は何よりも大切であり、ファッション好きの一番楽しいところだと僕は思っています。



因みに、、、
2025年秋冬以降のJEANIKは、LEVI’Sの1stモデルをベースにした、少し緩いシルエットのモデルが登場する予定です。
これまでのような新しいパターンを作ってきた同ブランドが展開するそのフィットは、個人的な楽しみの一つです。

髙階手帖

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